私の日記

私の日記(wata94’s diary)

嘘でもいいから 川内康範先生作詞 奥村チヨさん

あの川内康範先生の作詞による「嘘でもいいから」。
しかも、歌うのは奥村チヨさんです。
川内先生作詞の歌手で、かわいい系の女性というのはもしかして唯一…。
そしてこの歌詞…。
さすが百戦錬磨の川内先生、守備範囲が広いです。
だから、川内先生のレベルになると既成概念でお仕事をたのんではいけないのですね。


作曲は、「スワンの涙」と同じく筒美京平さんなんですね。
ちなみに「嘘でもいいから」は1970年の作品ですが、この年の紅白歌合戦で歌われています。
チヨさんに関しては、1969年までの官能路線の渦の中にあり、紅白に初出場なるも「恋の奴隷」から「恋泥棒」に歌う曲を変更されたりもされたようですが、騒動の果てに「終着駅」にたどりつく前の曲が「嘘でもいいから」です。
疲れ果てたチヨさんは、嘘でもいいから癒される曲を歌いたかったのではないでしょうか。
よく頑張った、という包容力はさすがの康範先生です。

わたしが納得する、3つの心惹かれるポイントを記録しておきます。
歌い出しの歌詞、曲の構成、最後の決め台詞、の3つですね。

歌い出しは、「よそにいいひと」です。
これが良いですね。「いいひと」とは多様な使い方があって、奥ゆかしくもありいい言葉ですね。
どぎつい表現ではありませんが、一度聴いたら忘れません。
いままでの路線を踏襲しつつ、おとなしく収束しようという着地に向かっている感じが伝わってきます。

曲が進むにしたがって、「いないから」→「あるのなら」→「でてきても」と表現が変化します。
とくに2番が心をくすぐられますね。
女性の方から、嘘でやきもちを焼かせようなんて…なんてかわいいんでしょう。
このかわいらしさこそ、チヨさんが歌いたかったものではないでしょうか。

最後に決め台詞がありますが、まず「たまには」と歌いあげてるのがいいです。
いままでのように、朝から晩まで縛るようなわがままではなく、「たまには」と控えめになってますね。

嘘でもいいから、押したり引いたりですね。